【2026年版】タイ帰任・撤退チェックリスト完全ガイド|出国90日前から当日までの全手続き
- タイ帰任が決まった日から出国当日までの完全タイムライン
- タイ国内でしかできない手続き(銀行口座・WP返却・住居精算)の優先度
- 引越し業者選び・船便・航空便の段取りと相場
- 確定申告・税金還付・社会保険精算など最後の財務手続き
帰任手続きの全体像|90日前から逆算
タイ駐在の帰任は、出国前にタイ国内で完結すべき手続き+日本での再構築の2層構造。タイ側の手続きには窓口対応や時間制約があり、最低90日前から計画的に動くのが鉄則です。
銀行口座解約・WP返却・コンドミニアム退去精算はタイ国内に滞在中しか手続きできません。帰国後にやろうとしてもほぼ不可能になり、何年も「未解決の口座」が残るトラブルが多発しています。出国前2-4週間に集中的に処理しましょう。
90日前|帰任決定直後にやること
1. 会社側の手続き
- [ ] 帰任日確定・出国フライト予約(航空券は会社負担が一般的)
- [ ] 後任者への引き継ぎ計画作成
- [ ] 会社の規定で必要な経費精算開始
- [ ] BOI法人勤務の場合 → BOIへの離職通知準備
2. 住居関連
- [ ] 賃貸契約の解約予告(1〜2ヶ月前通告が標準・契約書要確認)
- [ ] デポジット返金の流れを家主と確認(返金条件・タイミング)
- [ ] 引越し業者の見積もり3社取得
3. 子どもの教育
- [ ] 通学中の幼稚園・学校への退園/退学届(2ヶ月前通告が一般的)
- [ ] 日本の小学校・幼稚園への転入手続き準備(市区町村役場)
- [ ] 在学証明書・成績証明書の発行依頼
4. 引越し業者の比較
| 業者 | 船便相場(40フィートコンテナ) | 航空便相場(100kg) |
|---|---|---|
| 日本通運(タイ法人) | 15万〜25万B | 3万〜5万B |
| クロネコヤマト(タイ法人) | 13万〜20万B | 2.5万〜4.5万B |
| サカイ引越センター | 14万〜22万B | 2.5万〜4万B |
| ローカル業者(Asian Tigers等) | 10万〜18万B | 2万〜3.5万B |
船便はバンコク → 横浜・東京港まで3〜5週間、航空便は1週間以内で到着します。荷物量と「すぐ使いたい物の有無」で配分を決めましょう。
60日前|手続きの本格スタート
5. 銀行・金融機関
- [ ] 各銀行口座の整理計画(SCB・KBank・BBL等)
- [ ] 残高をWise・Revolut・国際送金で日本へ移動開始
- [ ] 自動引落の設定解除(電気・水道・携帯・光回線等)
- [ ] 投信・タイ証券口座の解約 or 維持判断
- [ ] クレジットカードの解約予約
全口座を解約すると「タイの会社からの未払い経費」や「SCB老齢年金」を受け取れなくなります。SCBまたはKBankのEZ Savings口座を1つだけ残し、低残高で維持するのが最適解。残した口座へのオンラインアクセスは年1-2回チェックしましょう。
6. 携帯電話・光回線
- [ ] AIS/True/dtacの解約予告(契約期間内なら違約金確認)
- [ ] ポストペイドプラン → 解約手続き
- [ ] 光回線の解約日設定(出国前1週間目安)
- [ ] WiFiルータ・セットトップボックスの返却日確認
7. 子どもの予防接種・健康診断
- [ ] 海外駐在中の予防接種記録の英語訳取得(母子手帳)
- [ ] 残りの予防接種の完了(タイで安価な接種を優先)
- [ ] 日本入国に必要な書類(検疫時)準備
30日前|本格的な撤退モード
8. ワークパーミット(WP)返却
- [ ] 会社人事に「WP返却の日程」を確認
- [ ] 労働省での返却手続き(原則は雇用主代行)
- [ ] 返却完了書類の保管(日本帰国後の証拠)
Work Permitの返却は雇用契約終了から7日以内に労働省で行う法的義務(会社の責任)。本人が代理で行く必要はありませんが、未返却のまま離職するとブラックリスト記載・将来の再赴任時に問題化するため、人事と返却日を必ず確認しましょう。
9. ビザ・90日レポート停止
- [ ] 90日レポート申告中の場合 → イミグレで停止届出
- [ ] TM30(住居登録)解除依頼(家主経由)
- [ ] Re-Entry Permit(再入国許可)の整理
- [ ] LTRビザ等 維持希望ならビザの有効性確認
10. 引越し荷物の梱包・選別
- [ ] 「船便」「航空便」「廃棄」「リサイクル(JLBS等のオークション)」「日本へ手荷物」の5分類
- [ ] 業者立会いでの梱包日(出国1〜2週間前)
- [ ] 持参不可品リスト確認(食品・植物・薬品等)
11. リサイクル・買取
家具・家電・ベビー用品はリサイクルが効率的。JLBS(Japanese Listed Bangkok Site)等のオークションサイトで売却するか、日本人駐在員向けLINEグループで譲渡。タイ人ヘルパーへの譲渡も慣例化しています。
14日前|最終整理段階
12. 住居の最終手続き
- [ ] 退去日の家主立会日程確定
- [ ] 清掃業者の予約(専門業者依頼で約3,000〜8,000B)
- [ ] 電気・水道・ガスの最終検針日設定
- [ ] 鍵・カードキーの返却準備
13. タイの確定申告(PND91)
離職した年度の確定申告は翌年1〜3月(通常通り)ですが、離職時にイミグレで「税務クリアランス(Tax Clearance Certificate)」が要求されるケースがあります。会計事務所(目安5,000〜15,000B)に代行依頼するのが安全。
14. 日本側の準備
- [ ] 日本の住居確保(賃貸契約 or 帰国先確認)
- [ ] 市区町村役場での転入届準備
- [ ] 健康保険再加入(日本)
- [ ] 運転免許証の更新
- [ ] 子の小学校・幼稚園転入手続き
- [ ] 海外資産の日本での申告要否判断(海外財産調書5,000万円超)
7日前〜出国当日|最後の数日
15. 銀行口座解約(残す1つを除く)
出国2〜3日前までに各支店で解約手続き。残高はゼロまで引き出すか、海外送金で日本口座へ移動。注意点:
- 口座解約は本人が支店窓口で行う(オンライン不可)
- 解約証明書(Closure Certificate)を受け取る
- 残高を国際送金する場合は、税務上の海外送金理由を「住居移転」と申告
16. 出国時の現金・資金携帯ルール
| 状況 | 申告必要金額 | 備考 |
|---|---|---|
| タイ出国時(外貨) | USD 20,000超相当 | 各通貨合算・税関申告書記入 |
| タイ出国時(タイバーツ) | 個人 50,000B/家族 100,000B超 | 隣国(ラオス・ミャンマー・カンボジア・マレーシア・ベトナム)向けは500,000Bまで可 |
| 日本入国時 | 100万円超相当 | 合算可能・税関で申告書記入 |
現金・トラベラーズチェック・宝石・金地金すべて合算対象。申告漏れは没収+罰金リスクがあるので、超える場合は事前に税関で申告書をもらっておくと安心。
17. 出国当日の流れ
- [ ] 自宅最終チェック・鍵を家主に渡す(または管理事務所経由)
- [ ] 大使館への離任届(任意・希望者のみ)
- [ ] 空港へ移動(渋滞を考慮して3時間前到着)
- [ ] チェックイン・荷物超過料金確認
- [ ] 出国審査(TM6カード保有者は返却)
- [ ] 免税還付申請(VAT Refund・対象購入品があれば)
タイで購入した商品(2,000B以上/店舗・1日同一日購入)は、空港のVAT Refund Officeで7%の付加価値税還付が受けられます。出国当日に手続き可能なので、購入時に「VAT Refund書類」をもらっておきましょう。
帰国後のフォロー手続き
- [ ] 日本の市区町村役場で転入届(帰国14日以内)
- [ ] 健康保険・年金の加入手続き(役所で同時可)
- [ ] 銀行口座・クレカ・運転免許証の住所変更
- [ ] 確定申告(海外駐在期間が暦年中含まれる場合)
- [ ] 子の小学校・幼稚園入園手続き
- [ ] 海外資産5,000万円超なら「海外財産調書」翌年6月15日まで提出
FAQ|よくある質問
Q1. タイの銀行口座を全部閉じないとダメ?
義務ではありません。「残高ゼロ近く+1年以上無使用」で休眠扱いとなり維持手数料(月50〜100B)が発生しますが、口座自体は維持できます。SCB Easy口座1つだけ残すのが多くの駐在員の選択。年1〜2回の少額入出金でアクティブ状態を保ちます。
Q2. 確定申告は誰がする?
本人が翌年1〜3月にe-Filingで自力申告するか、会計事務所代行(5,000〜15,000B)を依頼。会社が手配してくれるケースもあるので、人事に確認しましょう。日本帰国後でもタイの口座があれば申告・還付受領が可能です。
Q3. SCB Easyの老齢年金はどうなる?
180ヶ月以上加入なら55歳から月額年金支給開始。180ヶ月未満なら離職時に「一時金として返金」を選択可能。離職届と同時にSSO窓口で手続きを。海外居住中も日本帰国後も、タイ口座への振込で受給継続できます。
Q4. ペットを連れて帰る場合は?
犬・猫は輸出証明書(Animal Quarantine)取得が必須。出国前30〜60日に獣医での健康チェック・予防接種・マイクロチップ登録を完了させる必要があります。日本側の検疫(輸入動物検疫)は最短1日、最長180日。詳細は動物検疫所のWebサイトで確認を。
Q5. 帰任後に再赴任する場合の注意点は?
WP・銀行口座・SSOは「離任時に整理しすぎない」のがコツ。SSO ID Card・SCB口座・タイ電話番号(休眠SIM可)は最低限残しておくと、再赴任時の手続きが大幅に短縮できます。LTRビザ取得済みなら有効期限内なら再入国可能。
Q6. 引越しで持ち帰れないものは?
原則として食品(肉・乳製品)・植物・薬品・武器・タイ仏像は持ち出し制限あり。タイ仏像(高さ5cm以上)は文化財扱いで輸出許可が必要です。詳細は日本通運・ヤマトの引越し業者と相談してリスト化してもらいましょう。
Q7. 帰任後に来る経費精算・退職金はどうなる?
会社からの最終給与・退職金はタイ口座に振り込まれるのが標準。それを残した1つの口座で受け取り、Wise等で日本へ送金するのが最効率。退職金には日本側の所得税が課税される可能性があるため、日本の税理士に相談を推奨。
Q8. 在留届の取消は必要?
はい、必須です。在タイ日本国大使館に提出した在留届を「ORRネット」(在留届電子届出サービス)で帰国後すぐ取消(無料)。これにより緊急時の連絡対象から外れ、日本側の住民票復活がスムーズになります。
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