「TM30って 大家がやるんでしょ? なんで自分が罰金?」「ビザ更新で TM30の半券が必要と言われたけど何のこと?」と困惑するあなたへ。24時間ルールから罰金体系・オンライン申告手順・大家との交渉まで、駐在員が90日レポートと一緒に詰まるポイントを順序立てて整理した決定版。
TM30(住居届)は、タイ移民法第38条に基づく 外国人を居住させた住居所有者の届出義務。1979年に法令化され、外国人の入国・引越から 24時間以内 に最寄りのイミグレーションへ申告することが義務付けられている。本来は 大家(オーナー)側の義務 だが、未申告で困るのは外国人本人。90日レポート申告・ビザ更新の前提条件にもなっており、駐在員が実務で最も詰まる手続きの一つ。
本記事では、TM30の制度概要から申告フロー(オンライン/イミグレ)、罰金体系、90日レポート・ビザ更新との連動、対象者別の推奨手順までを順序立てて解説する。すべての情報は2026年5月時点でタイ入国管理局・在チェンマイ日本国総領事館・在タイ日系コンサル事務所の公開情報ベースで確認済み。
📂 目次
- Phase 1: TM30制度の全体像(義務者・期限・関連手続)
- Phase 2: 申告方法4ルート(オンライン/イミグレ/大家経由/代行)
- Phase 3: 必要書類と証跡保管のルール
- Phase 4: トラブル対応(罰金・大家非協力・引越)
- Phase 5: 対象者別の推奨手順+注意事項・失敗事例 5選+FAQ
Phase 1: TM30制度の全体像
Step 1. TM30とは何か(タイ移民法第38条)
TM30の正式名称は 「外国人の宿泊・居住の届出」(Notification of Residence for Foreigner)。タイ移民法第38条に基づき、外国人を居住・宿泊させた住居の所有者・占有者・管理者が、入管当局へ届け出る義務を負う。
- 制定年: 1979年(2522仏暦)
- 根拠法: タイ移民法第38条
- 届出窓口: 居住地を管轄するイミグレーション事務所
- 届出期限: 外国人の入国・引越後24時間以内
タイ国内のホテル・アパート・コンドミニアム・サービスアパートメント・友人宅など、外国人を宿泊させた全ての住居が対象。短期滞在のホテル宿泊の場合、ホテル側が一括で申告するため利用者が意識する必要はない。問題になるのは 長期滞在用の賃貸物件。
Step 2. 申告義務者は「住居の所有者」
条文上の義務者は 「住居の所有者・占有者・管理者(House master)」。賃貸物件であれば大家(オーナー)、コンドミニアムであれば管理事務所(マネジメントオフィス)がこれに該当する。外国人本人の届出義務ではない、というのが原則。
義務者は大家だが、未申告のペナルティを実質的に受けるのは外国人本人。ビザ更新・90日レポート申請時にTM30未提出が発覚すると、外国人側が窓口で対応を求められる。「義務は大家・困るのは外国人」という構造を理解しておくと、引越前後のトラブルが防ぎやすい。
Step 3. 24時間ルールの起算点
「24時間以内」の起算点は、外国人が当該住居に 到着した時刻。具体的には次の3パターンで発生する。
| シナリオ | 起算点 | 申告者 |
|---|---|---|
| 新規入国 → 自宅着任 | 住居到着時刻 | 大家(コンドミニアムは管理事務所) |
| 引越し(同国内移動) | 新住居到着時刻 | 新住居の大家 |
| 海外旅行から帰宅 | 住居到着時刻 | 大家(再申告が必要なケースあり) |
運用上、24時間を厳格に超過しただけで即罰金になるケースは多くないが、「ビザ更新前にTM30未提出が発覚」というタイミングで一括精算される事例が増えている。
Step 4. 90日レポート・ビザ更新との連動
TM30は90日レポート(TM47)・ビザ更新の 前提条件 として位置づけられている。次のような連鎖で発生する。
- 90日レポート: TM30が最新状態に更新されていなければ申請受理されないケースあり
- ビザ更新: TM30の半券(申告完了の証明)をパスポートに貼付されていることが要求される
- リエントリー後: 海外渡航から戻った場合、再度TM30の更新が必要となる地域もあり
90日レポート(TM47)の手続き詳細は タイ 90日レポート TM47 完全ガイド を参照されたい。
Phase 2: 申告方法4ルート
Step 5. オンライン事前登録(初回はイミグレ)
オンライン申告システムは、初回登録のみ最寄りイミグレーション窓口 での実施が必要。窓口でアカウント発行 → 以降は自宅PC・スマホからオンライン申告が可能となる流れ。
- 初回登録窓口: 居住地管轄のイミグレーション(バンコクはチェーンワッタナ Government Complex Building B 3階)
- 必要書類: パスポート・コンドミニアム賃貸契約書・タビアンバーン(住居登録簿)コピー・オーナー身分証コピー
- 登録後: ID/パスワード発行 → オンライン申告可能
Step 6. オンラインでTM30を申告
登録完了後は、入管局のオンラインポータル(extranet.immigration.go.th または各イミグレ専用サイト)からTM30申告を行える。スマホからも操作可能。
システムが頻繁にメンテナンス・障害発生する報告が多く、「24時間以内に申告できない」事態が起こりやすい。オンラインで完結しなかった場合は、イミグレ窓口へ持参するバックアッププランを最初から想定しておくのが現実解。
Step 7. イミグレーションで対面申告
オンラインで完結しない場合、または初回・引越時には、最寄りイミグレ窓口で直接申告する。バンコク在住者の場合、チェーンワッタナのGovernment Complex Building B 3階 が主要窓口。
窓口は混雑するため、午前中の早い時間帯または14時以降が比較的空いている時間帯。チェーンワッタナへのアクセスはGrabが定番。詳しい使い方は タイ Grab タクシー完全ガイド を参照されたい。
Step 8. 大家(オーナー)経由で依頼
本来の義務者は大家のため、大家にTM30申告を依頼する のが筋。日系不動産仲介(すずき不動産・ジャパン関連業者)経由で契約した物件は、TM30申告サービスを契約に含んでいる場合が多い。
- 日系仲介物件: TM30申告込みの契約が一般的
- ローカル契約: オーナーの理解次第・追加対応料金が発生する場合あり
- コンドミニアム: 管理事務所が一括対応する物件多数
Step 9. 代行業者の活用
大家が非協力的・忙しくて申告できない場合は、ビザコンサル業者に代行依頼する選択肢もある。料金は業者により1,500-5,000バーツ程度。複数業者から見積取得が推奨。
Phase 3: 必要書類と証跡保管
Step 10. 必要書類リスト
TM30申告には次の書類が必要となる。賃貸契約時に大家から預かっておくとスムーズ。
- 外国人本人: パスポート顔写真ページコピー・最新ビザページコピー・直近入国スタンプコピー
- 大家・住居側: タビアンバーン(住居登録簿)コピー・オーナー身分証(IDカードまたはパスポート)コピー
- 賃貸契約書: 大家・賃借人双方の署名入りコピー
- 申告書: TM30フォーム(イミグレ窓口またはオンラインで取得)
Step 11. 申告完了後の証跡保管
申告が完了すると、TM30の 受領半券(レシート) または オンライン申告完了画面 が証跡となる。これをパスポートに挟んでおく、またはスマホにスクショ保存しておくのが推奨。
ビザ延長申請の際、入管窓口で「TM30の半券を見せて」と要求されるケースが頻発している。半券の紛失または未提出が発覚すると、その場で再申告 → 罰金 → 後日再来というロスが発生する。
Phase 4: トラブル対応
Step 12. 罰金体系(オーナー側・外国人側)
| 違反主体 | 違反内容 | 罰金額 |
|---|---|---|
| 住居所有者(大家) | TM30申告義務を怠る | 外国人1人につき2,000バーツ以下 |
| 外国人本人 | TM30未更新で90日レポート/ビザ手続き | 1日200B以下・最高5,000バーツ以下(実例800B前後) |
条文上は最大5,000バーツだが、実際の運用では 800バーツ前後 が定額となるケースが多い。地域・窓口担当者の判断で金額が変動する点に注意。
Step 13. ビザ更新時にTM30未提出が判明したら
ビザ更新窓口でTM30未提出が指摘された場合、その場で次の対応を求められる。
- TM30申告窓口へ移動 → 申告 → 罰金支払い
- 受領半券を持参して再度ビザ更新窓口へ
- 当日中に処理しきれない場合は後日改めて来庁
当日中に処理が完結しないとビザ期限切れリスクが発生する。期限ギリギリのビザ更新は避け、30日以上前から準備するのが鉄則。
Step 14. 大家が非協力的な場合の選択肢
- 不動産仲介業者経由: 仲介の日系業者に大家へ働きかけを依頼
- 代行業者活用: 大家からタビアンバーン・身分証コピーだけ受領 → 代行業者が手続代行
- 引越し検討: TM30に長期非協力的な物件は他のトラブル発生時も同様。日系仲介物件への引越し検討
Step 15. 引越し時のTM30更新フロー
- 新住居の契約締結
- 新住居到着 → 24時間以内に新大家がTM30申告
- 申告完了 → 半券を新大家から受領
- 次回90日レポート時に新住所で申告(新住所のイミグレ窓口管轄を確認)
引越に伴う90日レポートの管轄変更ルールは複雑なため、不明点はイミグレ窓口で確認するのが安全。
Phase 5: 対象者別の推奨手順+注意事項・失敗事例 5選+FAQ
Step 16. 駐在員家族の推奨手順
- 赴任前: 不動産仲介(日系業者)に「TM30申告込み契約」を要求
- 入居時: 大家からTM30受領半券を必ず受領 → スマホにスクショ保存
- 引越時: 新大家にも同様の対応を要求
- 90日レポート申請前: TM30最新状態を必ず確認
- ビザ更新30日前: TM30半券・90日レポート・必要書類を全部用意
駐在員の30日ルーティン全体は タイ赴任 着任〜30日でやること30項目 を参照されたい。
Step 17. リタイア・長期滞在者の推奨手順
- 個人契約(コンドミニアム所有/長期賃貸)では、自分自身でTM30理解が必須
- 初回イミグレでオンライン登録 → 以降オンラインで自己申告
- 海外渡航帰国後は再度オンライン申告
- 必要書類を1つのフォルダにまとめて常時保管
Step 18. 短期滞在者(出張・観光)の推奨手順
ホテル滞在のみであればホテル側が一括申告するため、利用者側の対応は不要。Airbnb・友人宅滞在の場合は宿泊先(物件所有者・友人)に申告協力を依頼する必要がある。30日以下の観光ビザ免除滞在では実務上対応不要なケースが多いが、長期滞在に切り替える場合は最初の住居から意識する。
Step 19. 注意事項・失敗事例 5選
| 失敗例 | 結果 | 対処法 |
|---|---|---|
| 大家任せにして半券を受領しない | ビザ更新時に未提出指摘・即日対応で1日ロス | 入居時に半券受領をルーティン化・スマホ保存 |
| 引越時に新住所のTM30を更新せず | 次回90日レポートで指摘・罰金 | 引越24時間以内に新大家へTM30申告依頼 |
| 海外渡航帰国後の再申告漏れ | 地域によっては罰金 | 帰国後3日以内にオンライン申告 or 大家確認 |
| オンライン申告の不具合放置 | 24時間期限超過 → 罰金リスク | 不具合発生したらイミグレ窓口へ持参するバックアップ計画 |
| 非協力的な大家との物件継続 | 毎回トラブル対応で時間消耗 | 日系仲介物件への引越し検討・代行業者活用 |
Step 20. タイ語10フレーズ(イミグレ・大家対応)
| 日本語 | タイ語(ローマ字) | タイ語 |
|---|---|---|
| こんにちは | サワッディー カップ/カー | สวัสดี ครับ/ค่ะ |
| ありがとう | コップンクン カップ | ขอบคุณ ครับ |
| TM30の申告をお願いします | カオ ジェン ティー ユー TM30 ノイ クラップ | แจ้งที่อยู่ TM30 หน่อย ครับ |
| 住居登録簿のコピーをください | コー サムナオ タビアンバーン ノイ クラップ | ขอ สำเนา ทะเบียนบ้าน หน่อย ครับ |
| これでいいですか? | イー ナン ダイマイ クラップ | ใช้ อันนี้ ได้ไหม ครับ |
| すみません | コートート クラップ | ขอโทษ ครับ |
| 分かりません | マイ カオジャイ クラップ | ไม่ เข้าใจ ครับ |
| もう一度 | イーク ティー クラップ | อีก ที ครับ |
| 少し待って | ロー サクルー クラップ | รอ สักครู่ ครับ |
| ありがとうございました | コップンクン マーク クラップ | ขอบคุณ มาก ครับ |
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